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放射能基礎統計学

ポアソン分布


ポアソン分布とは,2項分布とは違う観点で,個々の事象に着目し,滅多に起こらない事象を累積した場合に見られる確率分布である。原子の崩壊率もポアソン分布に従うことが知られており,他の例としては,ある地域での交通事故の起こる確率や集団のガン発生率などが挙げられる。

Graphics:ポアソン分布

ここで,λは事象の期待(平均)発生回数で,横軸は発生回数,縦軸は確率である。
例えば,全国すべての交差点で事故が発生する確率が,平均で1ヶ月あたり1回だとすると,λ=1の分布となり,事故が1回する交差点と全く事故が発生しない交差点が同数ぐらいの割合で存在し,2回発生する交差点は1回の約半数・・・以下減少・・という分布になる。λが大きくなると,分布が平均値付近に集積し,正規分布の形に近づいていく。
例えば,交差点の事故発生回数の例でいうと1年間の平均発生回数は12回でλ=12となる。図で見るように,λが大きくなるにしたがって標準偏差"s0050_2.gif"の正規分布に近づいていく。

Graphics:λ=30のポアソン分布

交通事故の発生確率は「n回コインを投げた」のようにサンプル個々の試行回数は存在しない。放射性元素も一つ一つについて見ていけば,崩壊するのはいつかは分からない。1秒後かもしれないし,1万年後かもしれない。原子核崩壊に至る真のプロセスは誰にも分からず,ただ我々は確率的事象としてしか捕らえることが出来ない。そこにはコインを投げた時のように,試行回数を定義できる尺度はない。
このように,事象を考える対象が異なっても,個々の事象が滅多におこらず,試行回数を定義できないようなケースではポアソン分布モデルがあてはまることが多い。

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