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おしらせ
2011/9/7 リンクを新設しました。「やり方がよく分からない」「なんとなく難しそう」と感じたり,これから食品の測定に挑戦される方は放射能の測り方を見れば,全β放射能測定の具体的なイメージが沸くと思います。必見です
測定結果発表のガイドライン
当サイトはリンクフリーです。引用も計算結果のご利用もご自由ですが,測定結果発表にあたって,結果だけでなく,生の実験データ(最低でも機種名と実測値と計測時間)は必ず記載するようにしましょう。ご参考までに記載項目の一例を示します。 ・測定方法の概要「全β線放射能測定法による計測」の旨を記載する。 ・機種名。 ・試料およびバックグラウンドの実測値(CPMまたはCPSまたは積算カウント値)。 ・計測時間。 ・ガイガーカウンターのCPMまたはCPS値を読んだ場合は,平均値の算出方法。 ・線源とGM菅との距離 ・計算フォームで「放射能は検出されませんでした」というメッセージが出た場合は,「ND」または「検出せず」と記載し「3σ法による」と注記する。 ・鉛容器による遮蔽は必ずしも必須ではないが,鉛遮蔽して計測した場合は,計測条件として記載する。 ・土壌検査であれば,サンプル採取した地面の深さ。 ・食品・土壌中に含まれる塩化カリウムが測定値に影響を与えるが,補正は行わず(誤差が大きすぎる為)そのままの数字を発表し「含K」と注記する。 ・水洗いの有無 ・試料の使用部位 ・その他の測定条件 |
計測のガイドライン
・当サイトは全ベータ放射能測定計算サイトです。GM式ガイガーカウンタはガンマ線のみを測定して空間線量計とし使用する方法と,ベータ線測定器として表面汚染を検査する使用法があります。この2つの違いをよく認識し,混同しないようにしてください。地表面で空間線量率(Sv/h)の値を読んで意味のある数字を得ようとしたり,逆に,GM管と計測対象にアクリル板を挟んでγ線を計測して表面汚染の度合いを求めようとするのはGM式ガイガーカウンターの誤った使い方です。空間線量はγ線,表面汚染はβ線を計測します。 ・当サイトの計算フォームはすべてβ崩壊率を算出しています。γ崩壊率を求めることはできません。 ・計算値には,推定,誤差,あるいは誤りといった要素が含まれている可能性があることにご留意ください。当サイトが提示するのは,工業規格によって保証された厳密な値ではなく範囲を限定した上での『妥当性な指標』です。 ・数値はその前提条件により,大きく異なる事があります。前提条件や数字が意味する内容をよく理解してください。 ・GM計数管の特性として,放射能濃度が低いと値のばらつきが大きくなりますので,放射能濃度が低い場合には計測時間を多めにとることをおすすめします。ガイガーカウンターの計数率表示(cpm/cps)を読み取る場合は,30秒〜2分ぐらい時間をおいて複数回計測を行い,平均をとります。 ・当サイトでの計算成分については計算式に示してあります。 ・比較3原則 1)りんごとなしを比較しない(基準がない比較出来ない) 3)像の体重とキリンの身長を比較しない(異なる基準で比較出来ない) 3)サラブレットとフォーミュラカーの速さを比較しない(尺が異なると比較出来ない) ・計測の原則−1度に変える条件は1つ |
計算フォームの説明
表面汚染の計算 【計測方法】GM管を汚染面に密着させるか,GM管表面と汚染面との距離を5mmの位置に固定し,値が安定したところで計数率を読み取ります。放射能濃度が低い場合は複数回計測を行ってください。 【計算フォームの各項目】 計数率:汚染表面の高さで測定した値を設定します。このとき,GM管と汚染表面の間に,アクリル板などの厚い遮蔽物を挟まないでください。GM管を密着させて計測する場合は,汚染防止の為,GM管表面を薄いビニールで覆います。 バックグラウンド計数率:薄い鉄板やボール紙等でGM管を遮蔽し,ガンマ線のみ計測した値を設定します。 GM管の内径:ガイガーカウンターのマニュアルやカタログを参照してください。 表面汚染密度:単位面積あたりの放射能濃度を示しています。 【留意事項】 ※皮膚など人体表面の汚染計算には使用できません。 ※汚染密度は想定条件での値です。想定条件については計算式を参照してください。 ※農薬,化学肥料などにカリウムが含まれていることがあります。カリウムはベータ線を放出するので,地表面で高い値が出ることがあります。 食品に含まれる放射能の計算 【計測方法】全ベータ線放射能測定法の手順に従って,測定対象の食品を灰化し,灰化試料のうち500mgのみ計りとって同量の塩化カリウムと比較し,試料の放射能を算出します。 【計算フォームの各項目】 灰化前の新鮮重量:灰化前の試料の重量を設定します。 灰化後の新鮮重量:灰化後の試料の重量を設定します。 (例) 20gのほうれん草を灰化させて,灰が600mg残った場合は以下のように入力する。 灰化前の新鮮重量:20[g] 灰化後の新鮮重量: 600[mg] →灰分600mgのうち500mgだけを取り出して計測する。 試料の計数値:計数率[cpm]ではなく,積算の計数値[カウント]を設定します。 バックグラウンド計数値:計数率[cpm]ではなく,積算の計数値[カウント]を設定します。 真の計数率:真の計数率±標準誤差を表しています。誤差判定は3σ法を採用しています。 新鮮分の放射能:灰化前の新鮮重量中の放射能を,1kgあたりの放射能に換算した値です。 【留意事項】 ※標準誤差は統計的な誤差を表し,放射能が検出されたか判定する為の判断だけに用います。実際の誤差は条件によって,2倍あるいはそれ以上の誤差となることがあります。 ※カリウムはベータ線を放出するので,カリウムを含む多く含む食品は高い値が出ることがあります。 土壌・海底堆積物に含まれる放射能の計算 【計測方法】全ベータ線放射能測定法の手順に従って,数カ所で深さ0〜2cm,2〜10cm(耕土の場合は作土,心土層)の2層を採取し,層別に混合して直射日光を避け,拡げて風乾します。十分風乾した後,2mmのふるいにかけ,そのうち5〜10gをとり,赤外線ランプ下で乾燥させ放射能測定用試料とします。 【計算フォームの各項目】 採取面積:採取を行った総面積を設定します。 (例) 直径8cm深さ2cmの円盤状の土壌を採取した。 採取面積:50[cm2] 風乾細土の全重量:乾燥し,ふるいにかけた後の土の全重量を設定します。 (例) 採取した土を風乾し,ふるいにかけたら500g残った。 風乾細土の全重量:500[g] 風乾細土の重量:試料として取り出した風乾細土の重量を設定します。 乾土の重量:試料として取り出した風乾細土の乾燥後の重量を設定します。 (例) 風乾細土のうち5gを取り出し,乾燥後の重量は1gであった。 風乾細土の重量:5[g] 乾土の重量:1[g] 試料の計数値:計数率[cpm]ではなく,積算の計数値[カウント]を設定します。 バックグラウンド計数値:計数率[cpm]ではなく,積算の計数値[カウント]を設定します。 真の計数率:真の計数率±標準誤差を表しています。誤差判定は3σ法を採用しています。 面積当りの放射能濃度:土壌中のカリウム分を含んだ放射能濃度を示しています。 乾土重量当りの放射能濃度:土を完全に乾燥させた状態での,重量当りの放射能濃度です。放射能濃度は土壌中のカリウム分が含まれた値です。 【留意事項】 ※標準誤差は統計的な誤差を表し,放射能が検出されたか判定する為の判断だけに用います。実際の誤差は条件によって,2倍あるいはそれ以上の誤差となることがあります。 ※農薬,化学肥料などにカリウムが含まれていることがあります。カリウムはベータ線を放出するので高い値が出ることがあります。 水に含まれる放射能の計算 【計測方法】蒸留した水の残留物を測定し,水に含まれる放射能を算出します。 【計算フォームの各項目】 GM管の雲母の厚さ:[mg/cm2]単位で設定します。 GM管と試料の距離:最低GM管の直径の10分の1以上離してください。 試料皿の直径:GM管の直径を超えないようにしてください。 バックグラウンド計数値:計数率[cpm]ではなく,積算の計数値[カウント]を設定します。 真の計数率:真の計数率±標準誤差を表しています。誤差判定は3σ法を採用しています。 【留意事項】 ※計算と実際の計数効率は異なります。カリウム試料などで計数効率を検証して,適切な補正を行ってください。 |